欧州市場を見据える日本の皆様へ
現在西ヨーロッパ市場はいまだ経済成長を見せているアジア市場とは異なり一般的に成熟市場と言われています。更に潜在的に金融力が有りながら流通性が良くないとの指摘もあります。その理由の一面には投資の鈍化と地方経済の疲弊が見られます。しかしその反面新ビジネスで快進撃を見せ成長している企業も続々と出て来ております。これらはニッチ市場でありHigh-end-market〈高級品市場〉で顕著に現れています。つまり革新的で魅力的な製品、サービスであれば価格を重要ファクターとせず買ってくれる消費者層が多く存在しているということです。日本の地方社会で独自に持つ興味深い伝統や文化、技術がいまだ欧州市場では知られていないものがまだ数限りなくありますがそれらは即ビジネスチャンス、宝石の原石であることを容易に理解できるでしょう。日本政府が和食文化の輸出を提唱しているのもその一環です。値段の高い日本伝統の職人包丁が世界の各地でもてはやされているのをご存知でしょうか。この火種は日本人からではなく外国人の目と発想で発信されたものです。日本人が通常あたり前と考え気にも留めないものを海外では驚異と関心の的になっている姿が今もちらほらと見かけます。ではなぜそれらを積極的に発掘してビジネス化し配信しないのかという疑問が自然と浮かんで来ます。私共の計画するプロジェクトはそういった可能性を発掘してビジネス化へと推進させるための手段でもあります。そして今この方向で成功事例を作って行きたいと考えております。そこでこのプロジェクトの一環として一つの目的を具現化するためにご提案したいことは「日本独自の製品、技術、サービス、その他を欧州市場でどれほど浸透させられるものかチャレンジしてみませんか。」ということです。
現在資本に乏しい中小企業が厳しい環境の中で生き残るのは易しくはありませんし地方の市町村も地域興しの政策に苦慮しているのが実情と聞きます。大企業や大都市のように資本や金融が集中している所とは比べようもありません。しかし逆に機転や特色を出しやすく一分野では追随を許さない専門性を培う可能性もあり全てはアイデアと率先実行に掛かっていると言えます。独自性を持った中小企業、個性を打ち出した市町村がこれから栄え日本を支えて行く日が来ることを期待しまた信じたいものでです。
福田秀敏
国際ビジネス顧問